株の売買では「曲がる人」を参考に

友達や家族、同僚などで株の売買をしているという方がいる場合は注目してみると良いかもしれません。どのような手法で、どの銘柄を売買していて、どのような成績かを聞き出します。注目すべきなのは、全く勝てない人です。結構な確率でいて、日経平均が右肩上がりであろうがその人の所有株はさえない動きをします。

その行動を見ると、上がる株も立ち上がりの根元で売ってしまったり、下がり続ける株もとことん我慢してから処分売りをしています。経済に関心があり、経済専門誌や専門の新聞をよく読んでおり株価チャートも熱心に研究しています。

しかし、細かく話を聞くと決算の内容や財務の内容にあまり関心がなく、経済新聞やアナリストの評価などをそれらを見る代わりに参考にしているようです。長く株式投資をしていると株価の天井で買って底で売るというのを経験します。まさにそれを行っている曲がる人ですが、株価が右肩上がりの時に強気のコメントにあおられ財務内容の悪い会社の株を買ったりします。株価が下がり続けていると、まだ下がるというコメントと出来高倍増に怖くなり健全な経営を行っている会社の株を処分してしまいます。

いわゆる「曲がる人」は一定の割合でいますが数は少ないです。ほとんどの人は勝ったり負けたりでそういった人は全く参考になりません。しかし、いったん曲がる人(全く勝てない人)を発見したらウォッチすることをおすすめします。仕手株などは手を出さない方が無難ですが、出来高が多い人気のある銘柄で自分が監視しているものがあれば参考にしてみると面白いです。証券会社のアナリストにもいるのでその人のコメントは大変参考になります。曲がる人は勉強熱心な人が多いのですが注目しているポイントがずれています。日経平均にも影響があるアメリカの雇用統計などを見る場合、曲がる人はアナリストの予想平均と比べたりします。もともとの数字の推移などには関心がありません。それをもとに売買するので急上昇や急落に巻き込まれて右往左往することが多いようです。

景気は比較的大きなうねりを起こすので小さな出来事に右往左往し株の売買を行うと失敗します。株が上昇している時に売り抜ける、大きく売られて下がっている時に買うという行動はなかなか難しいですが曲がる人の行動を参考にすると良いかもしれません。株式投資は自己責任なのでアドバイスなどは控え見守る姿勢がベストです。曲がる人の話は大変参考になり経済専門誌や有名アナリストの意見を総括してくれますので一旦聞いておいて大衆心理の分析に役立てると良いと考えます。