株式の信用取引とは

株式の信用取引とは投資家が保有している資金以上の投資を行うことです。保有する資金や株式を担保として証券会社に預けると、投資家は資金や株式を借りて投資を行うことができます。信用取引では保有している資金や株式以上の取引を行うことが可能ですが、その倍率はおよそ3倍とされます。FXの場合には25倍のレバレッジをかけることができます。海外のFX業者を通すと数百倍のレバレッジも可能です。倍率が大きいほど利益は大きくなりますが、損失も大きくなる可能性があります。一般的な株式の現物取引では保有している資金の分だけ取引できます。保有している資金が100万円ならば100万円分の取引を行うことになります。信用取引では最大で3倍までの取引が可能なので、300万円分の取引できます。利益が出る場合には現物取引の3倍になるため非常に魅力的です。
基本的に株式投資では相場が安いときに買って高いときに売るという方法で取引が行われます。しかし信用取引では高く売って安く買うことができます。このような取引を一般的に信用売りまたは空売りと呼びます。空売りを行った場合には株価が下がるほど利益ができます。空売りをするためには、まず証券会社から株式を借りて売ります。株価が下がったところで買い戻しを行い、証券会社に返却します。売りと買いのタイミングにおける株価の差が利益となります。仮にある会社の株価が100円の場合に1000株を証券会社から借りるとします。1000株を空売りし、株価が90円になったところで買い戻すと、買い戻しの費用は9万円です。このとき1万円の利益が発生することになります。空売りの方法に習熟すると、相場が下がっている局面でも利益を出すことが可能です。
株式には様々な株主優待が付帯している場合があります。現物取引による買い注文と、信用取引の売り注文を同時に行うと少ないコストで株主優待を手に入れることができます。株主優待が付着した株式は権利を取得できる最終の売買日に向けて株価が上昇します。一方最終売買日の翌営業日には下落するのが通常です。現物取引による買い注文と空売りを同時に行うことで株価下落のリスクを回避できます。空売りには値下がりによる株式の評価損を相殺する効果があります。具体的にリスクを回避して株主優待を取得する方法としては、まず通常の現物取引で買い注文を題します。次に買い注文と同じ株式数について信用取引で売り注文を出します。これでコストとリスクを抑えて株主優待を取得できます。取引の手数料が1000円でも株主優待の価値が3000円ならば、2000円の利益を得ることになり合理的です。