賢い投資

これから株式投資に取り組もうという人にとって、株がどのようなイメージがあるのでしょう?
まだ、株を始めていない人や株に興味がない人にとって、株取引は極めて危険なものと考えている人も多いでしょう。
格言に、「買いは家まで、売りは命まで」という言葉があるぐらいで、確かにリスクが存在することは間違いないです。
株式投資はリスクを十分に理解できなくては取り組むことがタブーです。
少額投資非課税制度がスタートしてから、主婦やサラリーマンの投資家が増えたと言われています。
株式投資をスタートさせる発想が、「手っ取り早く儲ける 」「働かずに利益を稼ぐ」「お金でお金を稼ぐ」など、儲けのイメージを強く持ち、損をするというイメージが少ない人が多いようです。
考えてみれば、利益を得る場合、甲乙の関係となります。
売る方が甲ならば買う方は乙です。
互いの存在があって互いが成り立つもので、買う人がいなければ売りは成り立たず、売る人がいて買えるということです。
株式投資では売った株を買う人がおり、互いの価格の一致で売買が成立します。
利益確定で売り抜けた株は必ず買っている人がおり、それを買った人の今後の運命は相場が上に行くか下に行くかは分かりません。
中には高値掴みとなってしまう人もおられるでしょう。
損失だ出す人がいればその裏で利益を掴む人もいるということです。
市場参加者が全員利益が出るという相場は存在しません。
投資生活を続ける中には損失が出ることもあり、また利益が出ることもあるということです。
十分に理解しなければいけないのが取引による損失で、すなわちリスクです。
ただし、売買での損失は確定申告による損益通算が出来ますし、3年間損失繰越も可能です。
それとは別に、有配銘柄であれば配当が支払われるため、インカムゲインが割り込んだ投資元本の穴埋めをします。
投資とは必ずしも売買で利益を出すというものではなく、配当を目的に余裕のある資金で株を買うということもあるのです。
例えば、株を買って長期的に売らずに所有するのであれば、いつ買っても損ではないという理屈になります。
とくに、国が関係するインフラ事業(鉄道や通信等の大手企業)の銘柄であれば、株価は経済状況に連動しますが、比較的安定した配当を出します。
株価が高くなれば、分割することもあり、事業継続してゆく中で拡大を図る時、増資ということもあります。
いずれにしても、売らずに持っているのであれば、価格が下がっても損失が出ません。
所得の目的が配当であれば、投資した資金はただの資本金です。
お店を始めるための初期費用と考えれば、あとは経営後に順調に進むか進まないかです。
業績が良く好財務の銘柄に投資することが安定した配当が得られ、賢い投資となるでしょう。

株の売買では「曲がる人」を参考に

友達や家族、同僚などで株の売買をしているという方がいる場合は注目してみると良いかもしれません。どのような手法で、どの銘柄を売買していて、どのような成績かを聞き出します。注目すべきなのは、全く勝てない人です。結構な確率でいて、日経平均が右肩上がりであろうがその人の所有株はさえない動きをします。

その行動を見ると、上がる株も立ち上がりの根元で売ってしまったり、下がり続ける株もとことん我慢してから処分売りをしています。経済に関心があり、経済専門誌や専門の新聞をよく読んでおり株価チャートも熱心に研究しています。

しかし、細かく話を聞くと決算の内容や財務の内容にあまり関心がなく、経済新聞やアナリストの評価などをそれらを見る代わりに参考にしているようです。長く株式投資をしていると株価の天井で買って底で売るというのを経験します。まさにそれを行っている曲がる人ですが、株価が右肩上がりの時に強気のコメントにあおられ財務内容の悪い会社の株を買ったりします。株価が下がり続けていると、まだ下がるというコメントと出来高倍増に怖くなり健全な経営を行っている会社の株を処分してしまいます。

いわゆる「曲がる人」は一定の割合でいますが数は少ないです。ほとんどの人は勝ったり負けたりでそういった人は全く参考になりません。しかし、いったん曲がる人(全く勝てない人)を発見したらウォッチすることをおすすめします。仕手株などは手を出さない方が無難ですが、出来高が多い人気のある銘柄で自分が監視しているものがあれば参考にしてみると面白いです。証券会社のアナリストにもいるのでその人のコメントは大変参考になります。曲がる人は勉強熱心な人が多いのですが注目しているポイントがずれています。日経平均にも影響があるアメリカの雇用統計などを見る場合、曲がる人はアナリストの予想平均と比べたりします。もともとの数字の推移などには関心がありません。それをもとに売買するので急上昇や急落に巻き込まれて右往左往することが多いようです。

景気は比較的大きなうねりを起こすので小さな出来事に右往左往し株の売買を行うと失敗します。株が上昇している時に売り抜ける、大きく売られて下がっている時に買うという行動はなかなか難しいですが曲がる人の行動を参考にすると良いかもしれません。株式投資は自己責任なのでアドバイスなどは控え見守る姿勢がベストです。曲がる人の話は大変参考になり経済専門誌や有名アナリストの意見を総括してくれますので一旦聞いておいて大衆心理の分析に役立てると良いと考えます。

資産運用を行うなら株か投資信託か

これから資産運用をはじめようと考えている方は、まず、何に投資しようか、そこから悩むこととなるかもしれません。資産運用の対象となる金融商品は数多くありますが、資産運用初心者の方にとって、最初に思い浮かぶのは株、そして投資信託(略して投信)ではないでしょうか。


この2つのどちらが資産運用の対象として適切かは、資産運用を行う場合の目的や、目標とする収益等によっても変わってきますので、一概にどちらがよいとはいえません。
そこで、ここでは、初心者の方のリスクを軽減するという側面を重視して、分散して資産運用できるのは、どちらかという視点から、考えてみます。

資産運用をこれまで行ったことのない方は、どうして資産運用に踏み出すことができないのでしょうか。それは、リスクをとること、端的に言いますと、資産を運用するはずが、逆に減ってしまう、場合によっては、資産運用にあてたお金をすべて失ってしまうことへの不安がある場合が多いと思います。

では、その不安を減らすには、どうしたら、よいでしょうか。リスク軽減の1つの方法として、分散投資という手法があります。

例えば、100万円の資産を1つの会社の株式にすべて投じることは、分散した資産運用とはいえず、もしその会社の業績が大きく悪化したような場合には、資産は大きく減ってしまうことになります。

しかし、いくつもの会社の株式を組み込んだ投信を100万円分購入したような場合には、たとえその組み込まれた会社の業績が1社大きく悪化したとしても、1つの会社にすべてをかけた場合と比べて、資産が減少するリスクは小さくなります。

これが、分散して資産運用するということです。もちろん、自分で個別の銘柄を選んでいくつも保有することも分散した資産運用にはなりますが、1銘柄を購入するのに、それなりの元手が必要となることを考えますと、多くの株式を組み込める投信という商品は、資産の分散という面でメリットがあるのです。

このため、資産運用の初心者には、投資信託をおすすめする場合が多くなります。そして、この投信のもう1つのメリットは、投信積み立てなど、月々、少額(1万円程度)から、積み立てて資産を増やしていくことのできる商品がたくさんあることです。これも分散した資産運用を重視する観点からしますと、一度に資産の多くを投資するのではなく、毎月少しずつ購入していくことで、時間の分散により、リスクを減らすことができます。

もちろん、投信にも、運用時に手数料がかかることなど、デメリットはありますが、リスクを減らすという視点から見ると、非常に魅力のある商品と言えるでしょう。

株などの投資向け金融商品を正しく理解しよう

個人でも投資運用を行う必要が出てきた現代社会では、銀行の定期預金だけではなく、もっとリターンを期待できる金融商品にもチャレンジするべきです。 イメージだけで投資運用を怖がっている方が多く見られますが、その仕組みを正しく理解して、きちんとリスク管理を行えば、誰でも一定期間で黒字にすることが可能になります。

個人で行える金融商品の代表格は株であり、上場企業が発行したものを売買した時の差額、あるいは、株主として配当金や各種優待を受け取ることで、定期的に利益を確保できるのです。 株の売買は、日本においては主に東京証券取引所で行われており、個人では直接取引ができないので、証券会社を通して行います。

東京証券取引所は世界的に認められた公平な場で、海外からも多くの資本が集まっているのが特徴です。

証券会社への口座開設は簡単で、銀行と同じ要領で個人情報を提供すれば、約1週間ぐらいで完了します。 オンラインで申請して、公的な身分証明書のコピーなどを郵送すれば、自宅にいながら全ての手続きが済みます。 昔の証券会社はそれぞれに担当の営業マンがついていましたが、今ではオンライン取引が主流になっていて、いちいち営業マンに連絡せずとも、インターネットからアクセスする専用ページで自由に売買ができる環境です。

むしろ、現在では担当制の証券会社の方が少なく、中には店舗を持たずにオンラインだけで営業している、新たな形態の証券会社も登場しました。 元本保証がされていないが、その代わりに大きな利益を狙える金融商品を多く扱っている証券会社に口座開設をすれば、その時の情勢に見合った投資運用を実践できます。

法律によって、販売側にはその金融商品についてのリスクと内容を説明する義務があるので、購入前に一通りの説明を受けられます。 金融商品の値段は需要と供給の関係で常に上下しており、できるだけ安い時に買って、高くなった時に売るのが理想です。

契約内容によっては、高い時に売って、安くなった時に買い戻すという逆の取引も可能で、株に詳しくなれば、まさに値動きがあれば儲けられる立場になります。

銀行の口座にただ預けているだけではお金は増えないので、これからの物価上昇や老後の生活に対応するために、株などのお金でお金を稼ぐ方法を身につけておきましょう。 最初は試行錯誤で上手くいかない時もありますが、経験を積んでいけば、どんどんと上達していき、やがて自分の将来を支えてくれる大きな柱にまで成長します。

株による金融投資の魅力

投資は行うことで、資産の増加や、社会貢献、自己成長を目指すことができます。対象によって金融、物的なものとの2つに分けることができ、株の場合、債権や投資信託などと同様に金融に属します。一方、物的なものとしては不動産や金・銀・プラチナ、美術品などがあり、最近では太陽光発電なども対象として行われています。

株は投資の中でも広く知られており、中でも個別銘柄を対象とする取引は、初めての人でも手掛けやすい手法の1つになります。手掛けやすい反面、対象企業の数は約3,500社と非常に多く、全ての企業の内容を理解し、その中から銘柄を探すのは不可能に近いといえます。取引を始める際には目的を定めておくことがポイントの1つになり、各々が持つリスク許容度を把握しながら、キャピタルゲイン(値上り益)向けの銘柄か、また、インカムゲイン(配当)向けの銘柄なのか見極めることが大切になります。

株には大きく、キャピタルゲインインカムゲイン、優待、分割の4つが期待できるメリットがあり、中でもキャピタルゲインは最大の魅力になります。キャピタルゲインは、取引においては最も基本になります。ここでは、購入した価格が上昇した場合に売却をすることで利益を得ることができ、割安で購入をしていたとすれば、時として大きな利益に結び付けることが可能になります。 インカムゲインは、企業が利益の一部を還元することで得ることができます。インカムゲインは各企業の決算期ごとに分配されることになり、ポイントとしては、毎回一定額ではないこと、企業業績によっては増配や減配、場合によっては無配となることがあります。分配を受取るには、各企業が定める決算期末まで購入し権利を有しておく必要があり、配当利回りが良い企業では期日近くに取引がされることも多く行われています。

優待は、簡単には企業から贈られる御礼であり、インカムゲインと同様の条件を満たすことで権利を得ることができます。贈られるものは様々であり、例えば、自社製品やギフトカード、食事券、チケット、米など企業によっても違いがあります。

また、優待は身近に使用できるなど人気が高く、実際、優待目当てに取引を始める人も多く存在します。 分割に関しては、購入時における魅力の1つになります。分割は1株をいくつかに分割して発行数を増やすことを指し、仮に、2つに分割をすれば保有数も倍になります。保有をする全体的な価値は変わらないものの、大きなメリットとして1株の価格が下がることでより多くの人が購入をしやすくなる点があります。

買いやすくなるために人気が出ることになり、結果として価格の上昇へとつながっていきます。

少ない資金でできる株式投資

かつて株は一部のお金持ちやプロが行うものでしたが、今はそうではありません。インターネットの普及によって手数料は大幅に下がり、情報収集も簡単になったため多くの人が挑戦しています。これから始めようという人も多いでしょう。中には始めたいけど資金があまりないということもあります。そういった場合はどうすればいいでしょうか。
もしも1万円あるならそれだけで購入することができます。上場企業の株の中には1万円以下で買えるものもあります。もしも試しに買ってみたいといった場合は1万円で十分です。しかし、金額が低い場合は値動きに乏しく思うように値上がりすることが難しいです。また、価格を操作して利益を出そうとする仕手筋に狙われやすい場合もあります。仕手筋が絡む場合の取引は難しいので、最初のうちは手を出さないほうがいいでしょう。また、1万円で買えるものは種類が多くなく、選択肢が非常に狭くなるのも欠点です。運用して確実に利益を出したい場合ももう少し大きな金額が必要になってきます。
初心者が手を出しやすい価格帯と言われるのが5万円前後です。そのなかには超大手企業も含まれていますし、優待がもらえる企業も少なくありません。資金が少ないうちはそのような企業を中心に買うといいでしょう。だからといって5万円を用意すればいいかというとそうではありません。5万円のもの1つだけですと、万が一その企業が倒産したり大幅に減益したりしたときに大きな損を出してしまいます。そのようなリスクを軽減するためのは複数の企業を買って分散投資をすることがおすすめです。また、資金をすべて使って購入してしまっては今後欲しい株が見つかったときに購入できなくなるため、ある程度の余剰は必要です。これらの要素を踏まえ30万円くらいあれば戦略的に運用していくことが可能になります。現実的に難しい場合は5万円から初めて少しずつ増やしていくこともできますので、もし資金が少なくても投資がしたいといった場合は証券会社に口座を開いてしまいましょう。
証券会社によってはミニ株という制度があり、多くの人で分割して所有することが可能になっている場合もあります。この制度を利用すれば最低売買単位が20万円、30万円といった場合でも購入することが可能になります。証券会社によってサービスは異なりますので、大型株を買いたいといった場合はそのような情報も調べてから証券会社を選ぶようにしましょう。

株式投資で資産を増やすためには

株式投資を始める人が増えたのは2000年以降、取引手数料の自由化によりネット証券が出現したことにより、一般投資家がネットトレードをするようになってからだと言われています。
ただ、株式投資には投資元本を割り込む恐れもあり、複雑なルールの下で行う金融投資と当時のネット環境が現在のようなハイスペックでハイスピードではなかったことからトラブルも多く、ネットのトレードに不安を持つ人も多かったのも事実です。
2000年以降金融緩和が進む中で、日経平均は上昇し、市場環境が良くなると共にトレーダーが増え、それに伴うようにネット証券が次々に開業、互いの企業の特色を生かして口座開設数を伸ばすようになりました。
ネット証券は手数料を低くし、取引ツールの充実を進め、他社からの乗り換えを図るなど様々なテクニックで口座開設を伸ばし、市場に投資家を導いてきました。
このことが、市場への資金流入を増やし、市場環境そのものを改善しました。
ネット証券の出現により、手数料が低くなることでデイトレーダーという投資家も増え、これにより少しの価格変動でも利ザヤが取りやすいという概念が初心者に植え込まれたのも確かでしょう。
株式電子化やネットトレードということの便利さやスマート化が市場環境を良くした反面、大手証券会社による誤発注問題や個人投資家でも発注ミスによる損失など便利さがもたらすトラブルも多くなりました。
2014年に少額投資非課税制度がスタートし、2016年になって増枠されると、主婦やサラリーマンのトレーダーも増え、未成年でも少額投資非課税制度が適用できるようになりました。
よく、株の取り引きをする人で利益を出すのは1割程度と言われますが、これは初心者の投資家に当てはめた話であり、2000年以前から中長期で投資をする人であれば、多くの投資家が利益を出しています。
株式投資が一般に広がると、その概念は変化してきました。
本来、金融投資は富裕層が余裕のある資金で取り組むものでしたが、小さな資金で大きく儲けるという概念に変化してきたのでしょう。
投資とは投資元本を割り込むリスクがあるため、リスクに関する情報をしっかりと理解し、正しい資金管理のもと余裕のある範囲内で資金を投じることが良く、それが冷静な投資判断を促すのでしょう。
投資はあくまでも自己判断となるため無理のない投資に心がけ、自分に合った投資法を見るけるのが将来の資産を増やすこととなるのでしょう。